魔法の庭のオリジナルハーブ

私の母は食品スーパーに定年まで勤め上げ、今はガーデニングに精を出している。地域で開かれているガーデニング教室にも積極的に顔を出し、ガーデニング仲間もたくさん作っている。ときどき私にハーブに関するうんちくを語るが、あまりにも熱弁を振るうため、いつもうんざりしていた。

ある年の冬に、乾燥により私は喉を痛めてしまった。病院へ通うほどの痛みではなかったものの、声をまともに出すことができなかった。それを見かねた母は、戸棚の奥から年季の入った茶筒を引っ張り出し、お茶を淹れてくれた。しかし、湯飲みから立ち込める香りは緑茶とは違い、独特な香り。不思議に思い尋ねてみると、そのお茶は庭で育てていたハーブを乾燥させて煮出したものだった。

このハーブティーはかなり苦かった。爽やかな紅茶の風味をイメージしていたけれど、それとは真逆の味わい。「良薬口に苦し」という言葉があるが、想像を超える苦味にむせてしまった。ハーブティーの効き目は抜群で、翌日には喉の痛みはすっかり取れていた。それ以来、私はハーブを育てている庭を"魔法の庭"と呼んでいる。

ある日、自宅の片付けをしていたらハーブティーのレシピが見つかった。そのレシピは全て手書きで、どうやら祖母が母のために遺したもののようで、母がレシピに加筆した様子があった。母が子を想う気持ちは、"魔法の庭"やこのレシピと共に世代を越えて引き継がれていく。私にも二人の子どもがいるが、その子ども達がもし喉を痛めてしまったら、レシピとにらめっこしながら熱々のハーブティーを淹れてあげようと思う。子ども達にとってハーブティーの苦さはたまらないかもしれないが、それは私の愛情なのだ。 ハーブティを淹れる前、ラッセルホブスのケトルから聞こえてくる水が沸騰するあの音は、なんとも心地がよく、ふと私の気分を和らげてくれるお気に入りの時間である。

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Long life design story

ラッセルホブス カフェケトル7410JPと
クラシックトースター13766JPが、
長年にわたりユーザーからの高い支持を得て、
今後もその価値を発揮し続けるであろうと考えられるデザインを
顕彰するグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞しました。

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